バレーボールの試合を観戦している時に、「バレーボールの背番号はどうやって決められているのだろう?」と気になったことはありませんか?たとえば全日本男子「龍神NIPPON」の背番号を見ると、キャプテンの石川祐希選手が14番をつけていたり、若きアタッカー高橋藍選手は21番をつけていたりと、背番号もバラバラですよね。
そこでこの記事では、
- 「バレーボールの背番号にルールはあるの?」
- 「うまい順に決まってるって本当?」
- 「ポジションとの関連性はある?」
といった疑問を解消していきます。背番号の意味が分かれば、今後のバレーボール観戦の際にも選手のおおよその特長を把握することができますので、バレーボールファン初心者の方はぜひ参考にしてください!
バレーボールの背番号は何番まで?
まずはじめに、バレーボールの背番号に関する最低限のルールを押さえておきましょう。日本バレーボール協会が定める規定では、6人制のバレーボールの背番号は1番~20番と定められています。
背番号は試合ごとに変更することができ、「キャプテンは何番」、「エースアタッカーは何番」といった明確な規定もありません。また、国際大会のようにチームの登録人数が多い場合は、人数に応じて25番程度まで、最大で99番まで着用することが認められています。そのため、ルール上では2桁以内(99番まで)であれば、何番でも良いというのがえ基本の考えとなります。
バレーボールの背番号はポジションが基本
一方で、中学や高校などの部活動では、ポジションによって背番号が決められる習慣が根強く残っています。この背番号の決め方を理解するには、ポジションやローテーションといったバレーボールの基本ルールを理解しなければなりません。そこでここでは、バレーボールの基本ルールをおさらいしつつ、ポジションと背番号との関連性を紐解いていきましょう。
バレーボールのポジションは5種類
バレーボールのポジションは、主に以下の5つに分けられます。
- アウトサイドヒッター(OH):フロントレフト。エースアタッカーとしてスパイクを決める。
- ミドルブロッカー(MB):センター。ブロックの中心を担う。
- オポジット(OP):フロントライト。攻撃専門のアタッカーとしてスパイクを決め、チームの得点源となる。サウスポーが多い。
- セッター(S):アウトサイドヒッターやオポジットにトスを上げるチームの司令塔。
- リベロ(L):守備専門の選手。一人だけ違う色のユニフォームを着用する。
かつてはポジションの位置により「レフト」や「ライト」と呼ばれていましたが、現在では「アウトサイドヒッター」や「オポジット」といったポジション名が主流になりつつあります。また、現代バレーボールではオポジットの重要性が高まっており、チームの「スーパーエース」として活躍する選手も少なくありません。新しいポジション名に違和感を抱く方も多いですが、テレビをはじめとする各メディアでも新しい名称で統一化されつつあるため、ぜひこの機会に覚えておきましょう。
バレーボールのローテーションとは?
バレーボールのルールを理解するうえで欠かせないのが、ローテーションです。ローテーションとは一言で言うと「サーブ権を得るたびにポジションを時計回りに一つずつ移動するルール」であり、選手は固定されたポジションでプレーし続けるわけではありません。バレーボール初心者だと、「なぜあの選手があっちにいるの?」、「なぜセンターの選手はしょっちゅう交代するの?」と疑問を抱く方も多いですが、これらはいずれもローテーションが関係しています。
ローテーションを守っているかどうかは副審によって厳しくチェックされ、ローテーションミスがあると相手チームに1点が加算されます。バレーボールにおいては初歩的なミスと言えますが、トップクラスの国際大会でローテーションミスが起こるのも決して珍しいことではありません。
ポジションによる背番号の決め方
ローテーションの順番でそのまま背番号を振り分ける場合、ポジションごとの背番号は下記の通りとなります。
- 1番:バックレフト(アウトサイドヒッター)
- 2番:セッター
- 3番:センター(ミドルブロッカー)
- 4番:フロントレフト(アウトサイドヒッター)
- 5番:ライト(オポジット)
- 6番:リベロ
特にポジションと背番号の関連性が高いのが、4番のフロントレフト(アウトサイドヒッター)です。フロントレフトはチームのエース的存在となるため、「エースナンバー」として憧れを持つ選手は今でも多いといえます。ただし、4番以外の背番号については、ローテーションとの関連性は薄くなりつつあるといえるでしょう。
バレーボールの背番号に込められた意味 | うまい順って本当?
野球では1番がピッチャー、サッカーでは10番がエースストライカーであるように、バレーボールにも背番号に何かしらのイメージがついていることがあります。ここでは特にチームの中心選手につけられることが多い背番号を3つご紹介します。
1番:キャプテン
バレーボールのキャプテンがつける背番号として、特に多いのが1番です。全日本などの代表チームでは例外は多いものの、中学生や高校生などの部活では、いまだにキャプテンが1番を付けるケースが多いといえます。ポジションに照らし合わせると、1番はバックレフトの選手であり、通称「裏エース」と言われる大事な存在です。ここぞという時の決定力や精神的な強さが必要とされ、チームの軸として選手たちを鼓舞する存在と言えるでしょう。また、バレーボールのルールではキャプテンの選手の背番号にはアンダーラインを引くことが義務付けられています。そのため、チームの選手の背番号を見れば、誰がキャプテンであるかはすぐに判別することができます。
2番:セッター
アタッカーに正確なトスを提供し、「チームの司令塔」とも呼ばれるセッターは、主に2番を付けるのが一般的です。これは先ほどご紹介したポジション順の番号にも対応しており、その習慣が受け継がれてきたものと考えられます。現在の全日本男子代表「龍神NIPPON」では、セッターの藤井直伸選手が2番をつけており、「セッター=2番」のイメージをそのまま踏襲したものと言えます。
4番:エース
バレーボールにおいて、「エースナンバー」に最も近い背番号が4番です。これはポジションではフロントレフト(アウトサイドヒッター)に対応しており、チームのために得点を決めるイメージが「エースナンバー」と呼ばれる所以になったと考えられます。しかし、現代バレーボールではオポジットをチームのエースと考える風潮も強く、必ずしも4番がエースナンバーとは言えない傾向が高まっています。イメージとして4番に憧れる選手も決して少なくはありませんが、現代バレーボールにおいてはあくまでイメージに過ぎないと言えるでしょう。
【東京五輪】バレーボール日本代表の背番号
バレーボールの背番号に関するルールやイメージを理解したうえで、実際に日本代表チームの背番号をチェックしてみましょう。ここでは東京五輪のメンバーに選ばれた男女12名をもとに、それぞれの背番号とポジションをご紹介します。
| 1 | 清水邦広 | オポジット | 黒後愛 | アウトサイドヒッター |
| 2 | 小野寺太志 | ミドルブロッカー | 古賀紗理那 | アウトサイドヒッター |
| 3 | 藤井直伸 | セッター | 田代佳奈美 | セッター |
| 4 | 石川真佑 | アウトサイドヒッター | ||
| 5 | 島村春世 | ミドルブロッカー | ||
| 6 | 山内晶大 | ミドルブロッカー | 小幡真子 | リベロ |
| 8 | 石井優希 | アウトサイドヒッター | ||
| 9 | 奥村麻依 | ミドルブロッカー | ||
| 11 | 西田有志 | オポジット | 荒木絵里香 | ミドルブロッカー(主将) |
| 12 | 関田誠大 | セッター | 籾井あき | セッター |
| 14 | 石川祐希 | アウトサイドヒッター(主将) | ||
| 15 | 李博 | ミドルブロッカー | 林琴奈 | アウトサイドヒッター |
| 17 | 高梨健太 | アウトサイドヒッター | ||
| 19 | 大塚達宣 | アウトサイドヒッター | 山田二千華 | ミドルブロッカー |
| 20 | 山本智大 | リベロ | ||
| 21 | 髙橋藍 | アウトサイドヒッター |
今まで解説したルールやイメージと比べると、背番号とポジションの関連性がほとんど見られないのがお分かりでしょう。たとえばセッターの背番号の定番と言えば2番ですが、現在の全日本チームのセッターは男女ともに3番を着用しています。これは「世界最小セッター」として長年活躍した竹下佳江選手の影響が強いと言えるでしょう。また、歴代の全日本女子チームの背番号を見ても、ポジションとの関連性はほとんど見られません。
- 吉原知子:1番
- 栗原恵:1番
- 大山加奈:2番
- 竹下佳江:3番
- 木村沙織:3番
- 中田久美:8番
- 大林素子:8番
実際、全日本やプロチームの背番号の決め方は「自由」であると多くの選手が証言しています。もしも複数の選手で被ってしまった場合には、じゃんけんで決めることもあるのだとか。中には自身のラッキーナンバーや、別のスポーツの憧れの選手の背番号を好んでつける選手も多いようです。
バレーボールの背番号の決め方は自由
ポジションによる背番号の決め方、背番号ごとのイメージを解説しましたが、これらはいずれも中学生や高校生の部活に留まり、プロの世界になると背番号は基本的に自由に決めることができます。たとえば春高バレーなどの中高生の大会なら、背番号からポジションを推測することができますが、全日本チームでは背番号とポジションの関連性はきわめて低いと言えます。そのため、必ずしも「背番号が若いからうまい」とは限りません。
また、日本のエースとして活躍した木村沙織選手は竹下佳江選手に憧れて3番を付けたとも言われており、各背番号ごとに何かしらの系譜が存在するのも事実です。こうした歴代の背番号の流れに注目すると、思わぬところで関連性が発見できることもあるでしょう。バレーボールの背番号には、ポジションの意味、イメージ、選手の好みなど、何かしらの意味が込められています。ぜひこれからはバレーボール選手の背番号にも注目し、より深い視点からバレーボール観戦を楽しんでくださいね!




