野球には「ハンデ表」というものが存在することをご存知でしょうか?ハンデ表は、海外ブックメーカーなどを利用する際に予想の大きな指標となりますが、初心者だと「どのように見たら良いのか分からない」と困ってしまうことでしょう。
そこでこの記事では、野球のハンデ表の見方やそれぞれの数字が意味するもの、さらに予想の際に考慮すべき3つのポイントを詳しく解説します。これらの情報を整理することにより、より正確で勝算の高い予想をすることができますので、海外ブックメーカーに関心のある方はぜひ参考にして下さい。
ハンデ表は野球にゲーム性をもたらす
どれだけ野球が好きな方であっても「ハンデ表の存在すら知らない」という方がほとんどでしょう。そこでまずは、そもそもハンデ表とは何なのか、誰によって作られているかといった基本情報をご紹介します。
ハンデの基準は勝敗ではなく点差
ハンデ表とは、文字通り一方のチームに与えられたハンデをまとめた表のことで、主に海外のブックメーカーなどで活用されます。賭けの基準となるのは勝敗ではなく、ハンデ表を考慮したうえでの点差であると定義することができます。
例えば、圧倒的な強さを誇るAチームと、万年最下位のBチームが試合を行う場合、単純な勝ち負けであればほとんどの方がAチームに賭け金を投じることでしょう。しかし、勝敗が明確な試合は配当金が少なくなるだけでなく、予想する楽しみも失われてしまいます。
そこで、より試合により「ゲーム性」を持たせるために導入されるのがハンデです。例えばBチームに2点のハンデが与えられている場合、仮にAチームが1点差で勝利したとしても、賭けとしてはBチームの勝利となります。
- 〈実際の試合の結果〉Aチーム 5-4 Bチーム ⇒ Aチームの勝ち
- 〈Bチームにハンデが1点の場合〉Aチーム 5-5 Bチーム ⇒ 引き分け
- 〈Bチームにハンデが2点の場合〉Aチーム 5-6 Bチーム ⇒ Bチームの勝ち
対戦チームの実力差が大きければ大きいほど、与えられるハンデも大きくなります。単純な勝敗ではなく点差が大きく絡んでくるため、どの試合も予想の難易度はほぼ均一であると言えるでしょう。
「ハンデ師」によって絶妙に計算されたハンデ表
賭けをより「面白くする」ためのハンデ表を作成しているのが、通称「ハンデ師」と呼ばれる人々です。ハンデ師は各試合の対戦成績やチーム状態など、実に様々なデータを駆使し、賭け手が思わず悩んでしまうようなハンデ表を作成します。
ハンデ師が複数人いる場合には、ハンデ師の賭けるチームがちょうど半々に分かれるまでハンデ表の精度を上げるとも言われています。そのため、一般の野球ファンが迷うことなく賭けチームを決めるのは、至難の業と言えるかもしれません。
ハンデ早見表の見方 | それぞれの数字が意味するものとは?
ハンデ表を見たことのない初心者の方からすると、ハンデ表は単なる数字の羅列にしか見えないかもしれません。そこで、ハンデ表に記載されている数字や文字が何を意味しているのか、実際のハンデ表を参照しながら解説します。
出し | 引き分け | 1点差で勝ち | 2点差で勝ち | 3点差で勝ち |
0.3 | 3分負け | 7分勝ち | 丸勝ち | 丸勝ち |
0.5 | 5分負け | 5分勝ち | 丸勝ち | 丸勝ち |
0.7 | 7分負け | 3分勝ち | 丸勝ち | 丸勝ち |
1 | 丸負け | 勝負無し | 丸勝ち | 丸勝ち |
1.3 | 丸負け | 3分負け | 丸勝ち | 丸勝ち |
1.5 | 丸負け | 5分負け | 丸勝ち | 丸勝ち |
1.7 | 丸負け | 7分負け | 丸勝ち | 丸勝ち |
1半 | 丸負け | 丸負け | 丸勝ち | 丸勝ち |
1半3 | 丸負け | 丸負け | 7分勝ち | 丸勝ち |
1半5 | 丸負け | 丸負け | 5分勝ち | 丸勝ち |
1半7 | 丸負け | 丸負け | 3分勝ち | 丸勝ち |
2 | 丸負け | 丸負け | 勝負無し | 丸勝ち |
小数点の数字が意味するもの
ハンデ表の左側に記載されているのは、いわゆる「出し」と呼ばれる数字。これは相手チームに与えられるハンデの点数のことで、主に0.3、0.5、0.7といった小数点で区切られます。例えば、「出し」が0.3でチームが1点差で勝利した場合、ハンデを差し引いた0.7(7分)の勝ちという計算になります。点差が2点以上になれば、ハンデを考慮しても1点以上の差がつくため、全額勝利のいわゆる「丸勝ち」となります。
一方、「出し」が1.3のケースを見てみましょう。もしチームが2点差で勝った場合、勝利分は0.7ではなく「丸勝ち」となります。1.3や1.5のように整数部分が1の「出し」は、あくまで点差が1の場合に適用されるハンデであり、それ以上に点差が開いた場合には考慮されることはありません。これはハンデ表の少し複雑な部分であり、同時に「ゲーム性」を高めている要素とも言うことができます。
「半」が意味するもの
ハンデ表でもう一つ目を引くのが、ただ一つ漢字で表された「半」という文字です。ここで注目すべきなのは「半」という文字の左側に記された数字で、この数字こそが全額敗戦のいわゆる「丸負け」する点差を表しています。例えばチームが2点差で勝利した場合、「出し」が1.7なら「丸勝ち」となりますが、「1半7」の場合には0.3(3分)勝ちとなります。両者は似ているようですが微妙にニュアンスが異なりますので、初心者の方は特に注意が必要なポイントと言えるでしょう。
海外のブックメーカーで発表される「出し」は高くても2が一般的ですが、あまりに実力差が離れている試合では2を上回るケースもなくはありません。試合の結果を大きく左右する先発ピッチャーは、「出し」の数値設定にも大きく関係しているともされています。
ハンデ表から考察すべき3つのポイント【予想時必見】
ハンデ師によって精密に作成されているハンデ表は、主に3つのポイントを考慮して作成されています。この3つのポイントは、賭け手が予想を行う際の大きな判断基準としても有効活用できるでしょう。
ポイント 1:過去のデータと実績
ハンデ表の一番の基準となるのが、過去の膨大なデータです。実際に大手ブックメーカーは過去の膨大なデータをストックしており、これにより個人の好みや偏見を一切取り除いた絶妙なハンデを算出しています。
シーズンのチーム同士の対戦成績もさることながら、相手先発ピッチャーとの相性なども大きな指標となるでしょう。特にルーキーなど登板実績の少ないピッチャーは相性が全く読めないため、予想が大きく分かれることも珍しくありません。他にもリリーフ陣の成績や故障者リスト、ピッチャーと球場との相性など、実に様々な要因が考慮されています。
ポイント 2:チーム状態
単純な対戦成績だけでなく、ここ数試合のチーム状態もハンデ表に大きく関係しています。どれだけ対戦成績が悪くても、直近の試合で打線が絶好調であれば、相手を打ち崩す可能性は十分に考えられるでしょう。
また、3連戦の場合には1、2戦目の結果なども大きな判断材料となります。どれだけ好調なチームであっても、相手を3タテするのは決して容易なことではありません。そのため、ブックメーカーでは試合開始の当日にハンデ表が発表されることが一般的です。
ポイント 3:ジンクスや鬼門
どれだけチーム状態が良かったとしても、チームによってはなかなか乗り越えられないジンクスや苦手とする鬼門が存在します。「巨人は初対戦のピッチャーを打てない」、「阪神は名古屋でなかなか勝てない」といった話は、プロ野球ファンなら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
さらに各チームには、特定の対戦チームに圧倒的な強さを見せる「〇〇キラー」が存在するのも事実です。現在は世界的にも予告先発制度が導入されているため、対戦ピッチャーとの相性は予想の際に必ず考慮しなくてはなりません。

プロ野球においてハンデ表が悪用されたケース
海外のブックメーカーにおいて広く利用されているハンデ表ですが、過去には日本のプロ野球で「野球賭博」に利用されたケースも存在します。ハンデ表はあくまで海外のブックメーカーで用いるものであり、日本国内で用いることはできません。ここでは特に世間に大きな衝撃を与えた3つのケースをご紹介します。
黒い霧事件
野球賭博として日本の球界史に深く刻まれているのが、1969年に端を発する「黒い霧事件」。これは当時西鉄ライオンズに所属していた永易投手が、野球賭博のためにわざと敗戦投手となったもので、永易投手はプロ野球から永久追放となりました。その後も芋づる式で野球賭博に関与したと思われる選手が見つかり、八百長問題はプロ野球のみならず社会問題にまで発展。それまで見て見ぬふりで「習慣化」していた八百長が、ついに厳しい制裁を受けるきっかけとなりました。
巷では全部で70名以上の野球選手が「黒い霧事件」に関与したとも囁かれており、野球賭博の存在を世間に知らしめる決定的な出来事になったと言えるでしょう。
読売ジャイアンツ選手による賭博問題
プロ野球ファンにとっては、2015年から2016年にかけて発覚した読売ジャイアンツの選手による野球賭博問題も記憶に新しいことでしょう。これには、当時読売ジャイアンツに所属していた笠原投手や福田投手が主に関与したとされており、両選手は事実上の解雇に。笠原投手には懲役1年2か月、執行猶予4年の有罪判決が下され、野球賭博の深刻さが明るみになることとなりました。
大相撲界における賭博問題
2010年には、大相撲界においても一部の力士が野球賭博に関与していた疑いが明らかになりました。当時大関を務めていた琴光喜をはじめ、角界の27名もの力士が野球賭博に関与していたことが明らかに。さらに野球賭博以外にも、麻雀や花札など様々な賭け事を行っていたことも相次いで判明し、これにより2011年の春場所中止という異例の事態にまで発展しました。数ある野球賭博事件の中でも、同じスポーツ界に波及したという意味では、ファンに与えるイメージダウンは非常に大きかったと言えるでしょう。

海外のブックメーカーでは野球のハンデ表が大きな指標に
日本では禁止とされている野球賭博ですが、海外のブックメーカーではハンデ表が大きな指標となることは間違いありません。過去の対戦成績やチーム状態、ジンクスや鬼門などを考慮すれば、勝敗をより正確に予想することができます。ぜひこの記事を参考にハンデ表の見方を学び、ひいきのチームや気になるチームの試合結果を予想してみてくださいね!
また、当サイトでは「ブックメーカー各社の評価・ランキング」を忖度なしで公開しています。ぜひ参考にしてみてください。
