【2021年最新】テニス全米オープンの歴代優勝者 | 大坂なおみや錦織圭は?
テニスの数ある国際大会の中でも、特に観客動員数や賞金総額が多いとされるのが全米オープン(USオープン)。2018年と2020年には日本の大坂なおみ選手が優勝しており、日本でも大きな注目を集めました。
この記事では全米オープンの初心者向け基本情報を解説したうえで、全米オープンならではのルールや歴代の優勝者、さらに大坂なおみ選手や錦織圭選手の過去成績などをご紹介します。
テニスの「全米オープン(USオープン)」とは?【初心者向け】
テニスファン初心者の方だと、「全米オープンが大事な大会ということは分かるけど、詳しいことはさっぱり」という方も多いでしょう。そこでまずは、全米オープンに関する基礎知識を解説します。
全米オープンはテニス世界四大大会(グランドスラム)の一つ
全米オープンは、テニスのグランドスラム(四大大会)にも数えられる主要国際大会の一つ。テニスのグランドスラム(四大大会)とは下記の4つを表しており、それぞれの開催時期は下記の通りです。
- 全豪オープン:1月
- 全仏オープン:5月
- 全英オープン(ウィンブルドン):6月
- 全米オープン:8~9月
全米オープンはグランドスラム(四大大会)の中で開催時期が最も遅く、いわばその年のテニスシーンを締めくくる大会とも言えます。そのためテニスファンの間では非常に注目度の高い大会で、日本ではWOWOWを通して観戦することができます。
なお、近年はWOWOWが独占の放映権を取得しているため、地上波で放映されることはありません。かつてはNHKで放映されることもありましたが、今後もWOWOWのみでの配信となる可能性も大いに有り得るでしょう。
全米オープンの開催場所はアメリカ・ニューヨーク
全米オープンの開催場所となるのは、アメリカ・ニューヨークの郊外にある「USTA ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター」。ニューヨークの中心街であるマンハッタン地区から見ると東側に位置し、鉄道で約40分ほどでアクセスすることができます。
メインコートとなるのは、「世界最大のテニスコート」でもあるアーサー・アッシュ・スタジアム。その他を含め計3つのスタジアムコートがあり、それぞれの収容人数は下記のとおりです。
- アーサー・アッシュ・スタジアム:約2万4000人
- ルイ・アームストロング・スタジアム:約1万4000人
- グランドスタンド:約8000人
メインコートとなるアーサー・アッシュ・スタジアムには、2016年に開閉式の屋根も設置されました。そのため、たとえ雨が降ったとしてもコートの状態に大きな影響が生まれることはありません。
全米オープンの開催時期は8月~9月
全米オープンの日程は、毎年8月後半から9月前半にかけて組まれています。これはちょうど夏の終わりに当たりますが、近年は40度超えを記録するなど、暑さの問題が浮き彫りになりました。
2018年の全米オープンでは、あまりの暑さから熱中症による選手の棄権が続出。観客にも不調を訴える人が増え、大会側は急遽試合中に休憩時間を設ける特別ルールを設けるようになりました。
同じく暑い大会としては、真夏のオーストラリアで行われる全豪オープンが挙げられますが、全豪オープンは独自のルールに基づき、暑さによる選手への負担を最小限に留めています。近年の気温上昇に伴い、全米オープンでも全豪オープンを模した対策を練ることが緊急の課題とされています。
テニス「全米オープン」で注目すべき2つの特徴
全米オープンでは、他の国際大会ではなかなか見られないようなユニークなルールも存在します。初めての方は混乱してしまう可能性もあるので、事前にルールを頭に入れておきましょう。
1. 全米オープンはタイブレーク方式での決着
全米オープンの「名物」とも言えるのが、決着を決めるためのタイブレーク方式。これは最終セットが6対6にまでもつれ込んだ時に適用されるルールで、「先に2ポイントを先取した方が勝ち」となります。
- 全米オープン:先に2ポイントを先取した方が勝ち
- 全米オープン以外のグランドスラム:先に2ポイント差を離した方が勝ち
全米オープンでタイブレーク方式が採用されている理由としては、試合時間の短縮化が挙げられます。例えば他の大会のように「先に2ポイント差を離した方が勝ち」というルールを採用すると、実力が均衡している選手同士の対戦ではいつまでも1点差の攻防が続いてしまう可能性があります。
点差に関係なく「先に2ポイントを先取した方が勝ち」と決めることで試合時間を短縮することができ、テレビ中継などへの影響も最小限に留めることができるのです。
2. 全米オープンのコートは硬いハードコート
全米オープンのコートでは、表面がアスファルトで覆われた「ハードコート」が採用されています。これは文字通り表面が固くなっているコートで、バウンドしたボールのスピードが落ちづらいという特徴があります。
現在、グランドスラム(四大大会)でハードコートを採用しているのは全米オープンと全豪オープンの2つ。日本の大坂なおみ選手をはじめ、「全米オープンが得意な選手は全豪オープンも得意」という傾向が見られるのは、このためです。
【2021年最新】全米オープン男子・女子の主な歴代優勝者&賞金
2021年の8月後半から9月前半にかけても、全米オープンが行われました。2021年の最新情報も交えつつ、ここでは過去10年間の歴代優勝者も振り返ってみましょう。
2020年までの全米オープン歴代優勝者と最多優勝ランキング
2011年から2020年までの大会優勝者は、男女それぞれ下記のとおり。2012年から2014年にかけて女子のセリーナ・ウィリアムズ選手が3連覇を成し遂げていますが、それ以外は毎年優勝者が頻繁に変わる傾向にあります。
年 | 男子 | 女子 |
2011 | ノバク・ジョコビッチ(セルビア) | サマンサ・ストーサー(オーストラリア) |
2012 | アンディ・マリー(イギリス) | セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ) |
2013 | ラファエル・ナダル(スペイン) | セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ) |
2014 | マリン・チリッチ(クロアチア) | セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ) |
2015 | ノバク・ジョコビッチ(セルビア) | フラビア・ペンネッタ(イタリア) |
2016 | スタン・ワウリンカ(スイス) | アンゲリク・ケルバー(ドイツ) |
2017 | ラファエル・ナダル(スペイン) | スローン・スティーブンス(アメリカ) |
2018 | ノバク・ジョコビッチ(セルビア) | 大坂なおみ(日本) |
2019 | ラファエル・ナダル(スペイン) | ビアンカ・アンドレースク(カナダ) |
2020 | ドミニク・ティエム(オーストラリア) | 大坂なおみ(日本) |
全米オープンの優勝回数ランキングは下記の通り。地元アメリカ勢の活躍が著しいことがお分かりでしょう。アメリカ人選手以外では、2004~2008年に5年連続で全米オープン優勝という快挙を成し遂げたロジャー・フェデラー選手の名が挙がります。
- 1位:ビル・チルデン(7回)
- 1位:リチャード・シアーズ(7回)
- 1位:ウィリアム・ラーンド(7回)
- 4位:ジミー・コナーズ(5回)
- 4位:ピート・サンプラス(5回)
- 4位:ロジャー・フェデラー(5回)
なお、全米オープンの優勝賞金は250万ドル~300万ドル(約2億8000万円~3億2000万円)ほど。年によって賞金額は変わりますが、いずれにしても賞金総額は約60億円超えと、世界の中でも最も賞金総額の多い大会とされています。
2021年全米オープンの優勝はダニール・メドベージェフ&エマ・ラドゥカヌ
2021年大会は、男子の優勝がダニール・メドベージェフ(ロシア)、女子の優勝はエマ・ラドゥカヌ(イギリス)という結果になりました。女子のエマ・ラドゥカヌ選手は予選を勝ち上がっての優勝で、予選勝者がグランドスラム(四大大会)を制覇するのは史上初の快挙です。
注目の大坂なおみ選手は、3回戦でカナダの18歳レイラ・アニー・フェルナンデス選手にまさかの逆転負けを喫し、試合後の会見ではツアーからしばらく離れる意思を発表しました。
一方の錦織圭選手は、3回戦でノバク・ジョコビッチ選手と対戦。第1セットを接戦で制するものの、残りのセットでは実力差を見せつけられ、1対3の逆転負けを喫しました。これで錦織圭選手はジョコビッチ選手に対して17連敗を喫したこととなり、まさにジョコビッチ選手は「世界制覇に立ちはだかる大きな壁」と言えるでしょう。
全米オープンにおける日本人選手の成績
続いて、全米オープンにおける日本人選手の活躍にも注目してみましょう。ここでは特に優れた成績を残している大坂なおみ選手、錦織圭選手の成績を振り返ります。
【大坂なおみ選手】全米オープン女子での成績
大坂なおみ選手が初めて全米オープンに参加したのは2015年のこと。2018年には日本人選手として初めてのシングルス優勝を成し遂げ、日本中が歓喜に湧きました。2020年には2度目となる全米オープンを達成しており、ハードコートとの相性の良さをうかがい知ることができます。
- 2015年:予選2回戦戦敗退
- 2016年:3回戦敗退
- 2017年:3回戦敗退
- 2018年:優勝
- 2019年:4回戦敗退
- 2020年:優勝
- 2021年:3回戦敗退
【錦織圭選手】全米オープン男子での成績
錦織圭選手が初めて全米オープンに出場したのは2007年。2014年には初の決勝進出を果たすものの、決勝で惜しくもマリン・チリッチ選手に敗れました。主な成績は下記のとおりです。
- 2008年:4回戦戦敗退
- 2010年:3回戦敗退
- 2012年:3回戦敗退
- 2014年:準優勝
- 2016年:準決勝敗退
- 2018年:準決勝敗退
- 2019年:3回戦敗退
全米オープン 2021 ブックメーカーオッズ予想と結果
メドベージェフ選手がジョコビッチ選手を破って優勝に輝いた全米オープン2021ですが、ブックメーカー「ウィリアムヒル」における大会前のオッズは下記のとおりでした。
- ノバク・ジョコビッチ(セルビア):1.61倍 → 準優勝
- ダニール・メドベージェフ(ロシア):4.00倍 → 優勝
- アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ):6.00倍 → 準決勝敗退
- ステファノス・チチパス(ギリシア):8.00倍 → 3回戦敗退

大会前に最も下馬評が高かったのは、やはり世界ランク1位のジョコビッチ選手。全米オープンで過去3度、全豪オープンで9度優勝とハードコートとの相性が良く、今大会でも隙のない試合運びで準優勝に輝きました。
一方、3位のズベレフ選手は準決勝でジョコビッチ選手に敗戦、4位のチチバス選手はまさかの3回戦敗退という結果に終わりました。ズベレフ選手は全米オープン2020の準優勝に続き、今大会も非常に惜しいところまで進んだと言えるでしょう。
テニス全米オープンはエンターテイメントにも注目!
エンターテイメントの本場・アメリカで行われる全米オープンは、試合の「魅せ方」からも目が離せません。試合前後には大音量のBGMが流れたり、明るい照明によって会場が照らし出されたりと、通常のスポーツ観戦では味わえない華やかさを感じることができます。
2021年は日本勢にとっては心残りな結果となりましたが、2022年からは再び日本人選手の活躍に期待したいところ。この記事でご紹介した全米オープンの基礎知識を頭に入れ、より深い視点から全米オープンの熱戦を楽しんでくださいね!