eスポーツが日本でなぜ流行らないかを徹底解説

競技としてPCゲームやビデオゲームの腕を競い合う「eスポーツ」は、新たなスポーツの形として世界中で大流行しています。 海外では億を超える賞金が用意された世界大会がいくつも開催され、競技者としてゲームで生計を立てる「プロeスポーツ選手」は野球やサッカーのプロ選手と同じように夢のある憧れの職業として高い人気を誇っています。

しかし、日本では「eスポーツ」という言葉の認知こそ以前よりは広がっていますが、海外のeスポーツ市場のような盛り上がりは見せていません。もちろん日本でもeスポーツの大会は開催されていますし、プロeスポーツ選手は存在しています。なのに、なぜ日本ではeスポーツが海外ほど流行していないのでしょうか? この記事では、日本でeスポーツが流行らない理由をわかりやすく解説します。

eスポーツが日本で流行らない理由とは?

世界中で大きな盛り上がりを見せているeスポーツが、日本ではいまいち盛り上がりに欠ける理由には次の5つがあります。

  • ゲームに対するイメージの悪さ
  • プレイヤー人口の少なさ
  • 日本のプロeスポーツ選手の給料の少なさ
  • 育成の環境
  • 日本のeスポーツタイトルのガラパゴス化

ゲームに対するイメージの悪さ

eスポーツが日本で流行らない1番の理由は、日本人のゲームに対する「イメージの悪さ」にあります。 日本ではゲームと聞くと「遊び」というイメージが強く、ゲームをしすぎると勉強がおろそかになるといった考えが深く根付いています。 そのため、ゲーム(eスポーツ)をサッカーや野球といった日常にあるスポーツとして認識するのが難しくなってしまっているのです。

また、ゲームは子供の遊びであるという考えが強いことも、大人がゲームをすることへのイメージの悪化に拍車をかけています。 実際、ゲーマーの平均年齢を国ごとに比べると、アメリカでは37歳、フランスでは41歳ですが、日本では27歳と10歳以上の差が生まれています。

プレイヤー人口の少なさ

スポーツでは、競技人口がそのまま流行へと繋がります。 日本で人気のあるスポーツとeスポーツの国内競技人口を比べてみると、サッカーは約750万人、野球は約730万人に対して、eスポーツの競技人口は390万人程度です。世界中で1億人を超えると言われているeスポーツの競技人口を考えれば、日本のeスポーツプレイヤーがいかに少ないかがわかります。

人口の多いコンテンツには広告効果が期待できるためスポンサーが集まります。 スポンサーが集まることで多額のお金が動き、さらに人気が高まるというサイクルが生まれます。 人口が少なく宣伝効果の低いeスポーツでは、まだまだそのサイクルを生み出すことができていません。

日本のプロeスポーツ選手の給料の少なさ

プロeスポーツ選手になってもそれだけでは生活が難しいことも、日本でeスポーツが流行らない理由の1つです。 海外では年間に1億円以上稼ぐeスポーツプレイヤーも存在しますが、日本ではまだまだ満足な収入を得るのは難しい状況にあります。しかし、最近では日本人選手が活躍し高額賞金を獲得する機会も徐々に増えています。 2018年に行われたデジタルカードゲーム「シャドウバース」の世界大会「Shadowverse World Grand Prix」では、日本のふぇぐ選手が優勝を果たし優勝賞金1億円を獲得し大きな話題となりました。

ですが、このような高額賞金を獲得する日本人プレイヤーは一部であり、日本のプロeスポーツ選手全体での平均年収は一般的なサラリーマン以下となっているのが現状です。

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育成の環境

プレイヤーを育成する環境が日本ではまだまだ整っていないことも、日本のeスポーツの流行に影響を与えています。 国内にもプロゲーミングチームはたくさんありますが、日本ではeスポーツ市場が小さいため自然と活動の幅や規模も小さくせざるを得ません。

そうなれば、野球やサッカーのように少年チームや練習する場所、監督やコーチといったプレイヤーを育成するのに必要な土壌を整えることも当然ながらできません。 環境を整えるためには資金を出すスポンサーが欠かせないので、プレイヤー人口の少ない現時点での改善は難しいでしょう。

日本のeスポーツタイトルのガラパゴス化

人気のeスポーツタイトルが日本と世界では乖離していることも、日本でeスポーツが流行らない要因です。 日本では、「モンスターストライク」や「大乱闘スマッシュブラザーズ」、「鉄拳」といった日本特有のゲームタイトルが盛り上がりを見せています。

しかし、これらのゲームタイトルの盛り上がりや規模は、「フォートナイト」や「リーグ・オブ・レジェンド」、「CS:GO」といった世界基準のビッグタイトルには遠く及びません。 もちろん上記のようなビッグタイトルは日本でも高い人気を誇っていますが、その人気は日本独自のゲームタイトルたちと二分する形となっています。

日本特有のタイトルも深い戦略性と高い競技性があり非常に素晴らしいものであるのは間違いありません。 ですが、「世界基準のeスポーツタイトルをさらに盛り上げ人口を増やす」、または「日本発の世界に通用するタイトルを開発し上手く海外展開していく」といったことをしない限り、日本のeスポーツタイトルのガラパゴス化を止めることはできないでしょう。

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eスポーツの日本での流行を阻む賞金問題

日本でeスポーツが流行らない理由には、日本という国の法律も関係しています。海外では、2018年に当時16歳の少年が優勝賞金300万ドル(約3億2000万円)を獲得したフォートナイトの世界大会「Fortnite World Cup」など、何億円もの賞金が用意された大会が当たり前のように開催されています。 しかし、日本では次の3つの法規制によって、eスポーツの大会を開催した場合の賞金は「10万円」までしか出すことを認められていません。

  • 景品表示法
  • 風俗営業法
  • 賭博罪

実際に、2019年9月に行われた「ストリートファイター5カプコンプロツアー2019スーパープレミア日本大会」では、日本のももち選手が手に入れるはずだった優勝賞金500万円が10万円に減額された事例もあります。

「プロ選手同士の競技である」「賞金ではなく仕事の報酬として受け取る」といった条件を満たせば高額賞金を出すことが可能な場合もありますが、上記の法規制のせいで高額賞金の大会を開催するハードルが海外と比べて高くなってしまっていることは確かです。

高額の賞金が全てというわけではありませんが、大規模な大会になればなるほど選手だけでなくファンも熱狂しeスポーツシーンが盛り上がることは間違いありません。 eスポーツに対する法規制が改善されることは、日本でeスポーツがこれまで以上に流行るためには必要不可欠であると言えます。

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日本のeスポーツ市場は2018年以降徐々に盛り上がりを見せている


2018年はユーキャンの新語・流行語大賞に「eスポーツ」がランクイン
、テレビCMも放送されるなどし、eスポーツがこれまでにないほど話題となった年となりました。 この年は「eスポーツ元年」と呼ばれ、以降日本のeスポーツ市場は徐々に盛り上がりを見せています。eスポーツ元年(2018年)以降に起こったeスポーツの日本での流行の兆しとなる出来事を3つ紹介します。

国内プロリーグの発足

2018年12月26日、ライアットゲームズ・よしもとクリエイティブエージェンシー・プレイブレーンが、LoL(リーグ・オブ・レジェンド)の国内プロリーグ「LJL(League of Legends Japan League)」を共同で運営することを発表しました。

日本の8つのプロチームが1年を通して戦い、優勝賞金を含む賞金総額2700万円と世界大会へのチケットを争います。 スポンサーの吉本興業が運営するヨシモト∞ホールで行われるこのリーグの全試合は、公式のTwitchチャンネルで無料配信され多くのファンを賑わせました。

2020年からは大正製薬株式会社もオフィシャルドリンクパートナーとして協賛し、「LJL×リポビタンD」として選手へのドリンクの提供などの支援が行われました。 また、引き続き協賛が決定した2021年度リーグでは、長年リポビタンDのCMに出演しておりさらに自身もLoLプレイヤーであるケイン・コスギさんが特別ムービーに出演することでさらなる盛り上がりを見せています。

大規模な国内大会の開催

2020年11月5日に、NTTドコモによるeスポーツ事業への参入そして2021年2月よりNTTドコモ主催による賞金総額3億円の国内大会「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE」の開催が合わせて発表されました。この大会では大規模な賞金総額だけでなく、選手への年収保証という新たな取り組みも話題となりました。 「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE」では賞金総額3億円と別で、参加する16チームに1チームあたり2500万円の支給、さらに各チームの選手には支給額の中から最低保証金として350万円が支払われます。

NTTドコモが発表した今回の制度のおかげで、これまでの一握りのeスポーツプレイヤーしか手に入れることができなかった金銭的な安定を、本大会に参戦する全ての選手が手に入れることができるようになりました。

日本のプロeスポーツ選手が海外で活躍

2020年にオーストラリアのメルボルンで開催されたフォートナイトの国際大会「全豪オープンスマッシュ」では、日本のプロ選手の活躍が注目されました。この大会には日本のプロチーム「Crazy Raccoon」所属のRumi選手が参加しており、第3試合で見事1位に輝きます。フォートナイトの国際大会で日本人が1位を獲得するのは史上初のことで、日本でもTwitterのトレンド入りするなど大いに沸き立ちました。

また、Rumi選手はこの大会で得た賞金を、全て開催地であるオーストラリアの森林火災の援助に寄付すると発表します。この行動はまさにスポーツマンシップの則った素晴らしいものであると、日本だけでなく世界中のフォートナイトファンから称賛を浴びました。

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日本のeスポーツ市場の今後

日本のeスポーツが流行らない理由について解説しました。世界と比べるとまだまだと言わざるを得ない日本のeスポーツ市場ですが、国内プロリーグの発足や日本人選手の海外での活躍によって、サッカーや野球と同じように身近なスポーツとして認められつつあります。

また、2018年以降高まってきている日本でのeスポーツの人気は、You TubeやTwitchの普及によって「ゲームをする」だけでなく「観て」楽しむ人が増えたことで加速しています。

日本のeスポーツは観て楽しめるコンテンツになったことで他のスポーツと同様に興行として成り立つようになり、国内での社会的な認知を獲得できるようになりました。そのおかげで、これまであったゲームに対するネガティブなイメージを払拭することも、少しずつですができるようになってきています。

日本は現在、やっとeスポーツという名の土壌が整ってきたところにあります。今後、競技人口の増加や新規企業の参入によって日本のeスポーツがさらなる盛り上がりを見せることは間違いないでしょう。

なお、当サイトではeスポーツで人気の「ブックメーカー各社の評価・ランキング」を忖度なしで公開しています。そちらもぜひご覧になってください。