eスポーツがオリンピックの正式種目になる可能性【2028年ロサンゼルス五輪を目標に】

eスポーツがオリンピック種目になるかもしれないと2018年頃からニュースなどで取り上げられるようになりました。10年前ならゲームがオリンピック種目候補になるなんて言っても誰も信用しなかったですよね。実現すればスポーツとゲーム双方の業界にとって歴史的1ページとなるはずです。

業界では後進国とされる日本ですらeスポーツがこれだけ盛り上がっているのですから、世界では私たちが想像できない程に大きな盛り上がりを見せているのだと思います。競技人口は少なく見積もっても1億人以上、観戦者数は6億人程度と言われており、テニスと大体同じ競技人口だと考えて貰えればその規模が分かります。メジャースポーツと比較してもeスポーツは競技として劣っていないのです。

2020年となった今、eスポーツがオリンピックの正式種目となる話はどこまで進んでいるのでしょうか?進展の話が出ないのは何が障害となっているのでしょうか?そんな疑問を解決するために、この記事では「eスポーツとオリンピックについて詳しく解説していきたいと思います。

オリンピックでeスポーツにIOC会長は問題点を指摘

オリンピック正式種目にeスポーツが選ばれるのではという話が出たのは、2018年にインドネシアで開催されたアジア競技大会がキッカケと言えるでしょう。

デモンストレーションという枠ではありますが、eスポーツの試合がアジア競技大会の中で行われたのです。採用されたのは「League of Legends」「PES 2018(ウイニングイレブン2018)」「Arena of Valor」「Star CraftⅡ」「Hearthstone」「Clash Royale」の6タイトルで、世界中から大きな注目を集めました。

2022年に中国で行われるアジア競技大会では正式種目にという話も出たので、業界は「よし、オリンピックの正式種目入りも目指そう!」と盛り上がったわけですが、オリンピック委員会側はどうでしょうか?IOCのバッハ会長はAP通信の取材に対して以下のように答えています。

We cannot have in the Olympic program a game which is promoting violence or discrimination. So-called killer games. They, from our point of view, are contradictory to the Olympic values and cannot therefore be accepted.

-AP NEWS-https://apnews.com/3615bd17ebb8478ab534691080a9a32a

要約すると、「暴力や差別を助長するゲームはオリンピックの意義に反するから認められないよ」ということです。確かにFIFAやPESのようなeスポーツの中でもスポーツ系タイトルなら問題ないのかもしれませんが、「平和の祭典」であるオリンピックで、「Call of Duty」や「CS:GO」といったFPSは完全にアウト。MOBAも難しいラインと言わざるを得ません。

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eスポーツゲームタイトルの決定が難しい

正式種目として認められるには、どのゲームタイトルを種目として採用するのかという問題が発生します。どこのゲーム開発会社にとっても「オリンピック正式種目」の肩書は欲しいでしょうからね。

例えば中国はeスポーツ市場に大きな可能性を感じており、2020年1月に中国・西安で開催された「国際eスポーツカンファレンス」には中国オリンピック委員会副主席が参加するなど、国家レベルで力を入れている様子。今後もeスポーツでは自分たちが中心となってオリンピックを目指すという意思表明にも感じ取れました。

個人的にはMOBA系でオリンピック種目になるなら「League of Legends」か「Dota2」が濃厚かと思いますが、この2つはRiot GamesとValve Corporationといういずれもアメリカの会社が開発したタイトル。発言力のある中国が素直に首を縦に振るとは思えず、「王者栄耀(Arena of Valor)」など中国の開発したゲームを推したいはずです。これは色々と揉めそうですよね。

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eスポーツのオリンピック採用|実現は2028年のロサンゼルス五輪 ?

オリンピックの正式種目になるには、乗り越えなければならない課題が山積みです。ただ、実現するのであれば2028年に開催されるロサンゼルスオリンピックが可能性としては高いと個人的には考えています。

というのも、オリンピックには正式種目の他にその大会に限って実施される「追加種目」というものがあります。2020年の東京オリンピックは野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技が追加種目。2024年のパリ五輪ではブレークダンス、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの4競技が追加種目として決定しています。
実はパリ開催でもeスポーツは候補に挙がっていたのですが、そもそも国際eスポーツ連盟がIOC承認団体という条件を満たしていないので不可能でした。しかし、2028年までは時間もありますし、開催地はなんとロサンゼルス!eスポーツ業界を常にリードしてきたアメリカが提案するということで、十分に可能性はあると言えるでしょう。

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eスポーツのオリンピックイベントOVS開催が発表

国際オリンピック連盟(IOC)が2021年4月22日、「オリンピックバーチャルシリーズ(OVS)」の開催を発表しました。IOCが主催するバーチャルスポーツ大会はこれが初で、IOCのオリンピック公式動画チャンネルで全世界に配信されます。

種目として選ばれた5タイトルは以下の通りです。

  • World Baseball Softball Confederation (WBSC) – eBaseball Powerful Pro Baseball 2020, Konami
  • Union Cycliste Internationale (UCI) – Zwift, Zwift Inc.
  • World Rowing – Open format
  • World Sailing – Virtual Regatta, Virtual Regatta SAS
  • Fédération Internationale de l’Automobile (FIA) – Gran Turismo, Polyphony Digital

eスポーツというとFPSやMOBAのイメージが強いですが、IOC主催のeスポーツイベントはやはりスポーツで固めてきましたね。野球・サイクリング・ボート・ヨット・カーレースのゲームタイトルが採用されています。なお、開催にあたり各ゲーム制作会社と提携しているわけではなく、各スポーツの連盟と提携しているみたいです。日本からパワフルプロ野球とグランツーリスモの2タイトルが選ばれました。

IOC初となるeスポーツオリンピックイベント開催にあたりの会長を務めるバッハ会長は以下のようにコメントしております。

オリンピックバーチャルシリーズは、バーチャルスポーツの分野で新たにデジタルなオリンピック体験を提供し、視聴者との関わりを促進することを目的としたユニークなものです。その構想は「アジェンダ2020+5」とIOCデジタル戦略に沿って実施されます。そして、オリンピックの価値を上げることが目的となります。

-FiA-OLYMPIC VIRTUAL SERIES

eスポーツをオリンピックイベントとして導入するのはオリンピックの価値向上を目的としているみたいですね。確かにサッカーやラグビーのワールドカップに比べて、アマチュアスポーツの祭典であるオリンピックは少し盛り上がりに欠けるといった印象を持っている若者も多いようです。若い層にも注目してもらうための新たな取組としてeスポーツのオリンピックイベントOVSが導入されたのでしょう。eスポーツのオリンピック正式種目化に向けては一歩前進と言えると思います。

eスポーツとオリンピックで盛り上がるブックメーカー

この記事を読んでいる方の多くはeスポーツが好きな方だと思いますので、最後にeスポーツに賭けられるブックメーカーについて紹介したいと思います。ニュースでも多く取り上げられているのでご存じの方も多いと思いますが、イギリスを中心に政府が発行したライセンスの下で賭け事を運営する会社をブックメーカーと言います。以前からブックメーカーでeスポーツはベットの対象だったのですが、どこかサッカー野球といった人気スポーツの陰に隠れて注目されませんでした。

しかし、2020年にコロナウイルスの影響によりスポーツのリーグ戦・大会が一斉に中止になると状況は一変。ブックメーカー各社は提供できる賭けが少なくなってしまったので、eスポーツのタイトルを急遽増やしたのです。今では「FIFA」「League of Legends」「CS:GO」といった人気タイトルの試合に賭けることができ、多くのeスポーツファンが予想を楽しんでいます。また、世界大会だけでなく、LJLのような日本のプロリーグにベットできるのも嬉しいですよね。

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