野球の世界ランキングWBSC最新版 | 日本の侍ジャパンが1位をキープ

野球の世界ランキングはサッカーとは違って報じられる機会も多くありません。2021年の開催が予定されていたWBCも新型コロナウイルスの影響から2023年に延期される見通しになりましたが、野球の世界No.1を決定するWBCに向けて野球の世界ランキングを知りたい人も多いと思います。日本にとって強敵と言える国を知るには、野球の世界ランキングが大きな指標となり、国際大会の結果に基づいて算出されたこのランキングは正確性も高く、次回のWBCや東京オリンピックの運命を占う材料として大いに役立つことでしょう。
そこでこの記事では、野球の世界ランキング最新版をご紹介したうえで、意外と知られていないランキングの決め方などについて詳しく解説します。ランキングを紐解けばWBCやオリンピックの展望が見えてきますので、野球ファンの方はぜひ参考にしてください。
2020年最新版 | 野球世界ランキングWSBC
早速、2020年3月18日に発表された野球の世界ランキング最新版をご紹介しましょう。現在は国際大会が相次いで中止となっているため、しばらく順位やポイントに変動はありません。
順位 | 国 | ポイント | 順位 | 国 | ポイント |
1位 | 日本 | 6167 | 11位 | プエルトリコ | 2013 |
2位 | アメリカ | 4676 | 12位 | パナマ | 1875 |
3位 | 韓国 | 4648 | 13位 | カナダ | 1873 |
4位 | 台湾 | 4385 | 14位 | コロンビア | 1637 |
5位 | メキシコ | 3375 | 15位 | ニカラグア | 1509 |
6位 | オーストラリア | 3249 | 16位 | チェコ | 1268 |
7位 | キューバ | 2751 | 17位 | イタリア | 1202 |
8位 | ベネズエラ | 2724 | 18位 | イスラエル | 1028 |
9位 | オランダ | 2690 | 19位 | ドイツ | 766 |
10位 | ドミニカ | 2583 | 20位 | スペイン | 719 |
日本の侍ジャパンが1位をキープ
気になる日本代表(通称:侍ジャパン)は、2位のアメリカや3位の韓国に大差をつけ、堂々の世界ランキング1位に輝きました。前回のランキングでは2位のアメリカと231ポイントしか差がありませんでしたが、今回は約1500ポイントと大差をつけての1位となります。
日本は2018年の12月に発表されたランキングから1位になっており、これで約1年半にわたって1位をキープしていることになりました。2018年の9月に発表されたランキングでアメリカに首位の座を譲り2位となりましたが、それを除けば2014年の12月から首位の座をガッチリと守っていることとなります。
国際大会ではまだまだ苦戦を強いられることも多いですが、これは日本の野球ファンにとってたまらなく嬉しいデータと言えるのではないでしょうか。
アジア勢と北中米が上位を独占
気になる上位に目を向けると、2位アメリカ、3位韓国、4位台湾、5位メキシコと、アジア勢と北中米諸国が上位を独占していることが分かります。中でも台湾の躍進には目を見張るものがあり、近年はメジャーリーグで活躍する選手も少なくありません。日本にとっても、アジア予選で決して気の抜けない相手となりました。
野球強豪国として有名なキューバは7位にランクインしましたが、かつて世界一に君臨し続けた2010年代初頭と比較すると、年々ランクが下がっていることが分かります。また、第3回WBC優勝のドミニカは10位、同大会で日本を破り準優勝に輝いたプエルトリコは11位に終わっており、中米諸国は順位の変動が激しいのが特徴と言えるでしょう。
野球よりサッカーのイメージが強いヨーロッパでは、オランダが9位、チェコが16位、イタリアが17位にランクインしています。特にオランダは日本でもお馴染みのバレンティン選手をはじめ、国際大会でも日本を苦しめるシーンが目立っています。まだまだヨーロッパでの認知度は低いと言わざるを得ませんが、こうしたヨーロッパの野球強豪国からも目が離せません。
過去最大となる全85の国と地域がランクイン
最新版のランキングでは、アフリカの7カ国をはじめ、新たに10カ国が追加されました。これでランキングに入る国と地域の数は85と、過去最大に達しています。
最も身近なアジアでは香港、フィリピン、スリランカ、インド、インドネシア、タイ、イラン、ネパール、バングラデシュなどがランクインしています、なかなか野球と結びつかない国々ですが、日本がアジア予選でこうした国々と戦う未来も近いかもしれません。

野球の世界ランキングの決め方
各国のレベルを見極めるのに役立つ野球の世界ランキングですが、実は代表チームの成績だけでランキングが決まるわけではありません。そこでここからは、野球の世界ランキングの算出方法について詳しく解説しましょう。
野球の世界ランキングはWBSCが決める
野球の世界ランキングは、「世界野球ソフトボール連名(WBSC)」と呼ばれる機関によって決定されます。かつては「国際野球連盟(IBAF)」という名前でしたが、2014年から現在の名称に変更されました。
算出の対象になるのはWBSCが公認している大会に留まり、例えばオリンピックの結果は世界ランキングに反映されることはありません。大会の規模や出場国のレベルによって、付与される評価値が増減するのも大きな特徴と言えます。
各世代の過去4年間の成績に基づくポイント制
野球の世界ランキングはポイント制が基本となりますが、ポイントの加算対象になるのは代表チームだけではありません。社会人、大学、U21からU12など、実に幅広い年代が対象になり、過去4年間の成績が評価対象となります。
しかし、トップチームになればなるほど、ポイントの比重が高くなるのも事実です。例えばWBCやプレミア12といった国際大会では、U15やU12に比べ6倍ものポイントが加算されることになります。優勝国には300ポイントが付与されるように、ポイントも圧倒的に大きいため、代表チームの国際大会は世界ランキングにとって非常に重要な存在であると言えるでしょう。
上位12カ国はプレミア12の出場権を獲得
世界ランキングのトップ12にランクインしていると、自動的に「プレミア12」の出場権を得ることができます。これは2015年から4年に1回開催されている国際大会で、2019年大会で日本が優勝したことは記憶に新しいのではないでしょうか?
WBCは本大会がアメリカで行われるのに対し、プレミア12は日本などのアジア諸国で開催されるのが基本です。過去2大会の決勝はいずれも東京ドームで開催されており、気軽に観戦に出かけられるのは日本の野球ファンにとって大きな魅力と言えるでしょう。
野球の主要国際大会における優勝国一覧
最新版のランキングで2位以下を大きく引き離して1位に輝いた日本ですが、これには2019年に行われたプレミア12での優勝が大きく関係していると言えます。そこでここでは、ランキングに大きな影響を与える国際主要大会の成績をおさらいしておきましょう。
WBC
開催 | 開催年 | 優勝国 | 準優勝 | ベスト4 |
第1回 | 2006年 | 日本 | キューバ | 韓国、ドミニカ |
第2回 | 2009年 | 日本 | 韓国 | アメリカ、ベネズエラ |
第3回 | 2013年 | ドミニカ | プエルトリコ | 日本、オランダ |
第4回 | 2017年 | アメリカ | プエルトリコ | 日本、オランダ |
2006年から開催されているWBCにおいて、日本は4大会中2度の優勝を果たしています。特に2009年の韓国との決勝戦は、今でも多くの野球ファンの心に焼きついているのではないでしょうか。
第1回と第2回を連覇した日本ですが、第3回と第4回はいずれもベスト4という成績に終わっています。宿命のライバル韓国だけでなく、近年は台湾も力を付けているので、次回以降はアジア予選からも気の抜けない戦いが続くことでしょう。
プレミア12
開催 | 開催年 | 優勝国 | 準優勝 | 3位 | 4位 |
第1回 | 2015年 | 韓国 | アメリカ | 日本 | メキシコ |
第2回 | 2019年 | 日本 | 韓国 | メキシコ | アメリカ |
2015年の第1回大会では3位という成績に終わった侍ジャパン。しかし2019年に行われた第2回大会では稲葉監督のもとにチームが一つになり、見事世界の頂点に輝きました。
WBCが2023年に延期されることになれば、プレミア12の開催は無くなってしまう可能性も考えられますが、次回以降は参加国を20国に増やそうという動きも見られます。「プレミア20」として大会が生まれ変われば、これまで以上に大会の規模や盛り上がりも大きくなることでしょう。
オリンピック
開催年 | 開催地 | 金メダル | 銀メダル | 銅メダル |
1984年 | ロサンゼルス | 日本 | アメリカ | 台湾 |
1988年 | ソウル | アメリカ | 日本 | プエルトリコ |
1992年 | バルセロナ | キューバ | 台湾 | 日本 |
1996年 | アトランタ | キューバ | 日本 | アメリカ |
2000年 | シドニー | アメリカ | キューバ | 韓国 |
2004年 | アテネ | キューバ | オーストラリア | 日本 |
2008年 | 北京 | 韓国 | キューバ | アメリカ |
2021年 | 東京 | - | - | - |
2021年注目の東京オリンピックですが、日本はなんと1984年のロサンゼルス大会を最後に金メダルから遠のいています。2012年のロンドン大会、2016年のリオデジャネイロ大会では野球自体が大会競技から除外されましたが、東京大会では久しぶりにオリンピック競技として復活することが決まりました。
ただし、オリンピックは世界野球ソフトボール連名(WBSC)の主催ではないため、オリンピックの結果が野球の世界ランキングに影響することは基本的にありません。日本代表が地元開催のアドバンテージを活かし、実に7大会ぶりとなる金メダルを獲得することができるのか、日本中から大きな期待が集まります。
女子野球・ソフトボールの世界ランキングでも日本は上位に
「世界野球ソフトボール連名(WBSC)」が定めているランキングは、男子野球だけに留まりません。なかなか注目を浴びることは多くありませんが、女子野球や男女ソフトボールにおいても、日本はトップクラスにランクインしています。
順位 | 男子野球 | 女子野球 | 男子ソフトボール | 女子ソフトボール |
1位 | 日本 | 日本 | 日本 | アメリカ |
2位 | アメリカ | カナダ | アルゼンチン | 日本 |
3位 | 韓国 | 台湾 | ニュージーランド | カナダ |
4位 | 台湾 | ベネズエラ | カナダ | プエルトリコ |
5位 | メキシコ | アメリカ | オーストラリア | メキシコ |
女子ソフトボールでこそアメリカに次いで2位というランキングですが、女子野球と男子ソ+フトボールでは日本は堂々の1位。男子野球と合わせると日本は4部門中3部門で1位に輝いているため、「野球大国」の底力を遺憾なく発揮できていると言えるでしょう。もし女子ソフトボール日本代表が国際大会で優勝すれば、4部門すべてで頂点に立つ日が来るかもしれません。
WBCの過去2大会においては、日本は2大会連続のベスト4と残念な結果が続いています。次回の開催はまだ不透明ではありますが、ぜひ次回大会で日本が再び世界の頂点に立つ姿を期待しましょう!
