プロ野球日本シリーズの通算成績や問題点|2021年開催日程も紹介

日本の国民的スポーツとも言えるプロ野球。特に日本一を決める日本シリーズは、毎年白熱した試合の連続で多くの野球ファンを虜にします。大注目の試合となるのでメディアでも大きく取り上げられることから野球ファン以外でも日本シリーズの名前を知っているという人は多いと思います。しかし、日本一を決めるための大会という部分は知っていても、詳細まで把握している人は野球ファンの中でも一部かもしれしません。年に一度しかありませんし、プレーオフの仕組みなどの変更もあるので忘れてしまいます。かつてはセリーグとパリーグの覇者が直接対決するというシンプルな構図でしたが、近年は両リーグで「クライマックスシリーズ」が導入されており、日本シリーズのシステムはより複雑化しているとも言えます。また、それによって様々な問題点が生じてきているのも事実です。

この記事では、日本シリーズに出場するまでの流れや、日本シリーズの試合フォーマット、さらに過去の通算成績なども詳しく紹介していきます。通常のシーズンとは異なる日本シリーズならではの性質を押さえることで、日本シリーズの展望がより明確に見えてきますので、ぜひ参考にしてください。

プロ野球の日本シリーズは12球団の頂点を決める大会

日本シリーズは簡潔に言い表すと「プロ野球日本一」を決めるための大会です。正式には「プロ野球日本選手権」という名前で、プロ野球が2リーグ制に移行した翌年の1950年から始まり、実に70年以上の歴史を誇る国民的スポーツイベントとして知られています。日本シリーズまでの流れや試合方式について詳しく紹介していきます。

日本シリーズ出場までの道のり

プロ野球の基本となるのは、シーズン通して計143試合行われるリーグ戦です。セリーグ・パリーグの各6球団同士が行う試合が中心ですが、2005年からはセ・パ交流戦も実施されるようになりました。

プロ野球日本シリーズまでの流れ

年間シーズン終了後、各リーグでクライマックスシリーズが行われます。まずはシーズン3位のチームとシーズン2位のチームが「ファーストステージ」を、その後、ファーストステージの勝者がシーズン1位のチームと「ファイナルステージ」を行います。ファーストステージは2位チームのホーム、ファイナルステージは1位チームのホームで試合がスタートし、シーズンで優位だったチームには1勝分のアドバンテージが付与されます。

各リーグのクライマックスシリーズを勝ち抜いた2チームによって行われるのが、今回のテーマでもある日本シリーズです。そのため、かつては各リーグのシーズンチャンピオン同士の顔合わせでしたが、パリーグが2004年、セリーグが2007年にクライマックスシリーズを導入してからは、リーグ優勝すれば日本シリーズに出られるという訳ではありません。とはいえ、リーグ優勝の称号はシーズン1位のチームに与えられます。つまりリーグ3位のチームでも日本シリーズに出場して日本一になれる可能性が十分にあるということです。

各ラウンドのフォーマット詳細

毎年10〜11月頃に開催される日本シリーズは、「先に4勝した方が勝ち」というのが基本ルールです。試合が行われるのは各チームのホームグラウンドで、「2試合・3試合・2試合」の計7試合が予定として組まれます。ただし、どちらかが4勝すればその時点で終了なので、必ずしも7試合行われるということではありません。

例えば西暦年が奇数の年は、第1、2戦と6、7戦がパリーグチームのホームで、第3・4・5戦はセリーグチームのホームで開催されます。西暦年が偶数の年は、その逆となります。また、第2戦と3戦の間、第5戦と6戦の間には、それぞれ移動日として1日の空白日が用意されています。セリーグのホームゲームではセリーグのルールで、パリーグのホームゲームではパリーグのルールで行われるのも、日本シリーズならではの見どころと言えるでしょう。特に「DH(指名打者)制度」は両リーグの最大の違いであり、適応できるかどうかが勝敗の鍵を握ると言っても過言ではありません。

プロ野球日本シリーズの歴史|通算成績はパ・リーグに軍配

気になる日本シリーズの過去通算成績はセ・リーグの35回優勝(勝利試合数202勝)に対し、パ・リーグが36回優勝(勝利試合数は209勝)とパリーグが1勝分だけリードしていることが分かります。また、2013年に楽天が日本一に輝いたことで、現行の12球団は全チームが日本一を経験していることになります。アメリカのメジャーリーグだとワールドシリーズに出場したことのないチームも存在するので、どの球団にも黄金時代があったことを意味します。それでは、過去71年間の中でもプロ野球史に残る日本シリーズの歴史を紹介していきます。

読売ジャイアンツV9時代

日本プロ野球において圧倒的な金字塔とも言われるのが、「巨人V9時代」です。これは1965年から1973年まで、巨人が9年連続で日本シリーズ制覇を成し遂げた時期で、名将川上哲治監督のもと、巨人は他球団を引き寄せない圧倒的な強さを誇りました。中でも王貞治と長嶋茂雄の「ONコンビ」はいまだにプロ野球界のレジェンドとされるスーパースターです。「巨人・大鵬・卵焼き」という言葉が生まれたように、この時代に巨人ファンになったという方も非常に多いことでしょう。

西武ライオンズ黄金期

続いて1980年代から始まったのが「西武黄金期」です。これは主に1982年から1994年までの間を指し、この13年の間に西武は11度のリーグ優勝、8度の日本一に輝きました。特に1986年から1994年にかけて指揮を執った森祇晶監督は、日本プロ野球界でも伝説とされている名将であり、5年連続リーグ優勝という記録は、パリーグ記録として未だに破られることはありません。豊富なピッチャー陣を擁したこの時代の西武は、「投手王国」として他球団のバッターを大いに苦しめました。

ソフトバンク一強時代

続いて2010年代から始まったのが、現在でも続く「ソフトバンク一強時代」です。特に2014年から2020年までの7年間には6度の日本一を達成しており、その強さは12球団の中でも群を抜いていると言われています。2020年の日本シリーズでは、セリーグを独走で優勝した巨人を4連勝で打ち砕き、その圧倒的な実力を世間に見せつけました。確かな選手層と安定した若手の育成により素晴らしいサイクルが完成しており、この勢いは止まる気配はありません。

プロ野球で問題視される日本シリーズの課題

クライマックスシリーズやセ・パ交流戦の導入などもあり、何かと制度が複雑化してきている近年のプロ野球。その影響を受けてか、日本シリーズにおいても様々な問題が浮かび上がってきました。ここではプロ野球の日本シリーズで議論される2つの問題点を紹介していきます。

シーズン3位に日本一の資格があるのか

まず1つ目は「シーズン3位に日本一の資格があるのか」というポイントです。先述の通り、2004年にパリーグが、2007年にセリーグがクライマックスシリーズを導入してから、シーズン2位や3位のチームでも日本一になれる可能性が生まれました。実際、過去にシーズン2位や3位のチームが日本一に輝いたケースは、5度も生まれています。そうなると、プロ野球でリーグ優勝の価値が下がってしまうのは当然であり、本当に3位のチームが日本一になる資格があるのか議論されるのは納得です。各リーグの興行収入や注目度アップのためにクライマックスシリーズは必要不可欠ですが、各リーグのシーズン覇者同士の日本シリーズを見られないことに落胆するプロ野球ファンは多いようです。

パ・リーグが強いのはDH制の影響か

もう1つ挙げられるのは、セリーグとパリーグの実力差です。例えば、2010年以降に行われた日本シリーズ11回分の通算成績を見ると、セリーグが1勝に対しパリーグが10勝と、圧倒的にパリーグの方が強いことが分かります。シーズン中に行われるセ・パ交流戦でも、パリーグがセリーグを圧倒するシーズンが続いており、この実力差はもはや疑いの余地がありません。

プロ野球日本シリーズ過去の成績

近年では「人気のセ、実力のパ」という言葉が定着しましたが、その実力差の原因として注目されているのがDH(指名打者)制度です。DHとは、ピッチャーの代わりに打席に立つバッティング専門の選手のことで、パリーグでは導入されていますが、セリーグには導入されていません。このDH制度をセリーグでも導入すれば、ピッチャーがピッチングのみに専念できるだけでなく、野手にも出場枠が1つ増え、セリーグの底上げにつながるのではないかと期待されているのです。巨人の原監督提唱のもと、2021年シーズンからセリーグでもDH制の導入が検討されましたが、各球団の意向により計画は断念されました。2020年の日本シリーズは、原監督の意向から全試合DH制度という珍しいシステムで行われましたが、こうした流れによってセリーグでもDH制度が導入されるのか、そしてセパの実力差は縮まっていくのか、今後も大きな注目が集まります。

2021年プロ野球日本シリーズの日程

最後に、既に公表されている2021年日本シリーズの日程を紹介していきます。2021年度は東京オリンピックが予定されているため、通常よりも2~3週間ほど遅れての開催となります。また、東京オリンピックの開催状況により、日本シリーズの開催時期も変更となる可能性が考えられます。

プロ野球日本シリーズ2021年の日程

2021年もパリーグが実力差を見せつけるのか、それともセリーグが一矢報いるのか、そしてソフトバンク黄金期を打ち崩すチームは現れるのか、ぜひ注目していきましょう!