野球の背番号の意味とは?ポジションとの関係とプロ野球で人気の背番号
野球を観戦していると、自ずと目に飛び込んでくるのが選手の背番号。中には0番や99番などを背負う選手もおり、「どんな意味があるのだろうか?」と疑問に感じる方も少なくないでしょう。
この記事では、野球における背番号の意味を、プロ野球、少年野球・高校野球に分類して解説します。特にプロ野球では特定の背番号が歴代の選手のイメージと重ね合わせられることも多く、背番号を見るだけで選手の特徴を推測することができます。
単に選手を見分けるだけでなく、その選手がどのような選手なのかを知る判断基準ともなりますので、ぜひ野球観戦に役立ててください。
プロ野球における背番号の意味 | 人気の背番号とイメージ
プロ野球には、基本的に背番号の「ルール」は存在しませんが、それぞれ人気のある背番号が存在するのも事実です。
また、日本語で「死」や「苦」を連想させる4番、44番、49番などは忌み嫌われることもありますが、元阪神のバース選手(44番)や元巨人のクロマティ(49番)など、球史に名を残す名選手も多数存在します。
背番号5:中長距離砲
背番号5番は、打線の主軸となる中長距離砲が背負う背番号。有名な選手としては清原和博(巨人など)、新庄剛志(阪神など)、和田一浩(西武など)、松田宣浩(ソフトバンク)などが挙げられます。
少年野球や高校野球において5番はサードを意味しますが、例に挙げた選手で実際にサードの守備についている選手は松田宣浩のみです。特に「球界の番長」として活躍した清原和博は、背番号5のイメージに大きな影響を与えていると言えるでしょう。
背番号18:エースナンバー
背番号18番と言えば、言わずと知れたエースナンバー。桑田真澄(巨人)、松坂大輔(西武など)、田中将大(楽天など)、前田健太(ツインズなど)と、錚々たる顔ぶれであることが分かります。
18番がエースナンバーになったのは、歌舞伎において得意な演目であった十八番(おはこ)に由来するとされており、これは日本独自の背番号に対するイメージと言えます。
背番号27:キャッチャー
背番号27番は、キャッチャーに与えられることの多い背番号。これは巨人V9時代を支えた森昌彦が27番を背負っていたことに由来しており、その後も大矢明彦(ヤクルトなど)、古田敦也(ヤクルト)、伊東勤(西武など)、谷繁元信(中日)など、球界を代表する名捕手たちが27番のイメージを守り続けています。
キャッチャーには背番号2番も人気であり、これはポジションを表す背番号と一致しています。現在のプロ野球でも、正捕手の多くが27番か2番のどちらかを背負っています。
背番号29:実力派ピッチャー
18番の影に隠れて意外と注目されない29番ですが、29番はバッターを力でねじ伏せる実力派ピッチャーに与えられる背番号だと言えます。
この29番のイメージを定着させたのは、「マサカリ投法」や「サンデー兆治」でお馴染みの村田兆治(ロッテなど)。最多勝1回、最優秀防御率3回、最多奪三振4回という驚異の実績を持つ村田兆治は、そのユニークな投球フォームで多くの強打者を封じ込めてきました。
その後も与田剛(中日など)、鹿取義隆(巨人など)、井川慶(阪神など)といった実力派ピッチャーが、29番を背負っています。
背番号42:助っ人外国人
背番号42番と言えば、助っ人外国人が好んでつける背番号。これはアメリカ黒人差別に屈することなく活躍したジャッキー・ロビンソンがつけていた背番号で、42番はメジャーリーグの全球団で永久欠番となっています。
42番が永久欠番には指定されていない日本のプロ野球では、カブレラ(西武など)、ブランコ(中日など)、ジョンソン(広島)など、多くの外国人選手が憧れの42番を背負ってきました。
背番号51:俊足好打
背番号51番と言えば、言わずと知れた「天才」イチローが背負っていた背番号。現在でもイチローに憧れを抱いて51番をつける選手は多く、鈴木誠也(広島、2019年まで)、宮崎敏郎(横浜)など、ミート力の高い好打者が揃っています。
そんなイチロー選手が51番を背負うきっかけとなったのが、同じく「天才」として活躍した前田智徳(広島)。実際、イチローは前田智徳に憧れて51番をつけたことを公言しています。51番のイメージとしてはやはりイチローが強いですが、前田智徳こそが51番の元祖と言えるでしょう。
背番号55:スラッガー
背番号55番と言えば、巨人やヤンキースで活躍した松井秀喜の背番号。ヤンキース時代には、世界一のみならずワールドシリーズMVPも経験したレジェンドで、日本では国民栄誉賞も受賞しました。
現在はT-岡田(オリックス)、村上宗隆(ヤクルト)、筒香嘉智(横浜時代)など、球界を代表するスラッガーが55番を身に付けています。プロ野球で人気とされる背番号は55番が最も大きく、それ以上の70番台や80番台は監督やコーチが付けるのが一般的です。
チームごとに特別な意味を持つ背番号
選手は人気の背番号や自分のラッキーナンバーなどによって背番号を選ぶのが一般的ですが、場合によっては選手が付けることのできない背番号も存在します。
永久欠番
プロ野球各球団では、偉大な功績を残した選手の背番号を「永久欠番」にしているケースがあります。永久欠番はメモリアルデーなどを除き、他の選手が付けることは許されません。
球団名 | 永久欠番 | 選手名 | 主な功績 |
---|---|---|---|
巨人 | 1 | 王貞治 | 世界最多ホームラン記録(868本)を樹立 |
3 | 長嶋茂雄 | 「ミスタープロ野球」として国民栄誉賞も受賞 | |
4 | 黒沢俊夫 | 広角に打ち分ける安打製造機。1947年のシーズン途中に病死 | |
14 | 沢村栄治 | 「沢村賞」の由来となっている選手。1944年に戦死 | |
16 | 川上哲治 | 巨人V9時代の監督 | |
34 | 金田正一 | NPB史上最年少で200勝を達成 | |
阪神 | 10 | 藤村富美男 | 4番打者として活躍した初代「ミスタータイガース」 |
11 | 村山実 | 沢村賞を3度受賞した剛球ピッチャー | |
23 | 吉田義男 | 「牛若丸」と称された天才ショートストッパー | |
中日 | 10 | 服部受弘 | ピッチャー、キャッチャー、内外野をこなしたマルチプレーヤー |
15 | 西沢道夫 | 投打二刀流で活躍した初代「ミスタードラゴンズ」 | |
広島 | 3 | 衣笠祥雄 | 当時の連続試合出場記録を樹立した「鉄人」 |
8 | 山本浩二 | ホームラン王4度に輝いた「ミスター赤ヘル」 | |
15 | 黒田博樹 | メジャーリーグのオファーを蹴って広島に戻った「男」 | |
西武 | 24 | 稲尾和久 | シーズン42勝を記録した「神様、仏様、稲尾様」 |
日本ハム | 100 | 大社義規 | 日本ハム創業者 |
楽天 | 77 | 星野仙一 | 球団初の日本一を成し遂げた「闘将」 |
王貞治や長嶋茂雄など、誰もが知っているレジェンドばかりでしょう。近年制定された永久欠番としては、黒田博樹の15番(2016年)や星野仙一の77番(2018年)などが挙げられます。
準永久欠番
「永久欠番」とまでは行かなくとも、「準永久欠番(名誉番号)」として大事に守られている背番号もあります。
球団名 | 準永久欠番 | 選手名 |
巨人 | 55 | 松井秀喜 |
阪神 | 6 | 金本知憲 |
ヤクルト | 27 | 古田敦也 |
横浜 | 18 | 三浦大輔 |
オリックス | 7 | 福本豊 |
51 | イチロー | |
日本ハム | 11 | ダルビッシュ有、大谷翔平 |
86 | 大沢啓二 | |
ソフトバンク | 15 | 藤井将雄 |
89 | 王貞治 |
これらは「その番号がふさわしい選手」が現れたら与えられるものであり、決して付けることができないということではありません。実際、阪神の掛布雅之が背負った31番や、ソフトバンクの城島健司が背負った2番など、準永久欠番に指定された後に、他の選手に受け継がれたというケースも見受けられます。
ファンの背番号
プロ野球チームの中には、特定の背番号を「ファンの背番号」として登録しているケースがあります。現在は千葉ロッテマリーンズの26番、東北楽天ゴールデンイーグルスの10番の2つが、これに該当します。
ロッテの26番はプロ野球でベンチ入りできる選手が25人であることに、楽天の10番は野球が9人で行うスポーツであることに由来しています。これらの背番号はファングッズとしても非常に人気で、ファンも「自分も試合に参加している」という実感を抱くことができるでしょう。
少年野球や高校野球における背番号の意味
少年野球や高校野球には背番号の基本的ルールが存在し、背番号だけでその選手のポジションを見分けることができます。
背番号はポジションで決まる
少年野球や高校野球では、ポジションによって背番号が決まるのが基本で、これは野球のスコアブックで用いられるポジション番号に一致しています。
- ピッチャー:1番
- キャッチャー:2番
- ファースト:3番
- セカンド:4番
- サード:5番
- ショート:6番
- レフト:7番
- センター:8番
- ライト:9番
高校野球の試合をテレビで観れば、出場チームのほとんどがこのルールで背番号を割り振っていることが分かるでしょう。野球の実況を聞いていると「4-6-3のダブルプレー」などという言葉を聞きますが、これはセカンド・ショート・ファーストの順でダブルプレーが成立したことを意味しています。
キャプテンは10番
少年野球に限っては、キャプテンが10番を付けることが一般的です。これは誰がキャプテンなのか、審判や敵チームが一目で分かるようにしたもので、選手のポジションは関係ありません。
少年野球では、レギュラーであることを意味する一桁の背番号が人気ですが、キャプテンだけにつけることが許された10番は、それ以上に価値のある背番号として憧れの的となります。
監督は30番
野球大会の主催や後援を行う「全日本軟式野球連盟」によると、少年野球では監督が30番をつけることがルール化されています。これは、少年野球の公式戦のベンチ枠が20人であることと関係しており、同様にコーチは29番や28番をつけることが一般的です。
キャプテンは10番、監督は30番というのは少年野球に限られたルールであり、高校野球においてはキャプテンはポジション通りの番号を、監督は好きな番号をつけるのが慣習となっています。
野球の背番号に注目すれば選手の特徴が分かる
野球を観戦する際に何気なく目にしている背番号ですが、背番号は選手のポジションを意味したり、プロ野球の場合には選手のイメージと関係していたりと、何かしらの意味を持っていることがお分かりいただけたでしょう。
同じチーム内でも、背番号ごとの系譜に着目すると、それぞれの背番号がどういった意味を持つのかがより鮮明に見えてきます。
ぜひこの記事を参考に背番号ごとの意味を知り、今後は「〇番の選手はこんな選手だろう」などとイメージしながら野球観戦を楽しんでください。
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